皆さんこんにちは。院長の只野です。
本日は【アキレス腱周囲炎(しゅういえん)】について簡単に解説していこうと思います!
スポーツの秋という事もあり、学生さんは運動会や部活動の新人戦があり、身体への負担が増える時期です。
スポーツ好きの人たちも涼しくなったからと言って急に体を動かそうとするとケガの危険が高まります。
・アキレス腱が痛い
・踵(かかと)が痛い
・着地すると痛い
・片足荷重になると痛い
こんな症状が出ている方はぜひこの記事をチェックしてみてください!
アキレス腱周囲炎とは?症状や原因
ふくらはぎの筋肉が細くなって踵(かかと)の骨に付く部分をアキレス腱といい、このアキレス腱周辺に痛みが出る症状を【アキレス腱周囲炎(しゅういえん)】と言います。
【アキレス腱周囲炎】は【アキレス腱炎】や【アキレス腱滑液包(かつえきほう)炎】といった名前でも呼ばれていますが、痛む場所や痛んでいる部位を細かく分けた呼び方であり、訴える症状はほとんど同じで「アキレス腱の周辺が痛い」といった内容です。
主な症状として
・ピリッとした痛み
(ふくらはぎの下、アキレス腱の横、踵の後ろ、くるぶしの後ろなど様々)
・つま先立ちが困難
(階段を昇る時など)
・動き始めの痛み
(体重をかけると痛む。この場合重症の可能性も・・・)
痛くなる原因として最も多いのがオーバーユース(使い過ぎ)とミスユース(間違った使い方や不慣れな使い方)です。
ケガの性質上、スポーツ好きの人や運動部の部活生に発症することがほとんどで、当院では陸上・バスケ・バレー・野球・サッカー・バドミントンなどで痛めた方がよく来られる印象です。
アキレス腱周囲炎の治療法やストレッチ
アキレス腱周囲炎に効果的な治療法として運動の中止が一般的に言われます。部活やスポーツを休みましょう、という事ですね。
整形外科的治療では注射を提案されることもありますが、これは重症の場合に提案される治療法です。
まずは症状緩和のストレッチとして、アキレス腱をゆっくり伸ばす方法がおすすめです。ストレッチボードを利用すれば簡単にストレッチができますが、階段やちょっとした段差などでもストレッチできます。
つま先だけで台に乗り、踵を下に降ろすようなフォームで30秒~60秒かけてゆっくりふくらはぎを伸ばしてみてください。余裕があれば2~3セット繰り返すと効果的です。
Case16:左下腿部アキレス腱周囲炎の疑い
10代女性、運動会の練習中踵周辺に違和感を感じ、家に帰ると激痛を感じるほどになり整形外科を受診。骨に異常はないとの診断を受けたとの事。その足で当院へご来院されました。
・骨には異常なし
・体重を左足にかけると激痛
・歩くのがつらい。ピョコピョコ歩きになってしまう
・足首を動かすのは痛くないがコリコリ音が鳴る
痛みの発生経緯や患部の状態から【アキレス腱周囲炎】が考えられました。
当院でのアキレス腱周囲炎へのアプローチ
症状にもよりますが、基本的には運動を継続しながらの施術を探していきます。
今回の患者様はかなり痛がっている様子だったので、1週間程度体育の授業や習い事はお休みがいいと提案させていただき、松葉杖もお貸ししました。
通院も2~3日に1回のペースを提案し、超音波治療、ストレッチ、マッサージ、身体の使い方や歩行フォームのアドバイスを行った後に最後テーピングを巻いて施術終了です
2週間経過すると痛みはかなり回復し、3週間経過で通常歩行や軽いダッシュ&ジャンプは可能になりました。
さいごに
アキレス腱は人体最強の腱とも言われ、ダッシュやジャンプなどの強力な力を生み出すのに必要です。しかし腱にかかる負担も巨大で、一歩間違えると【アキレス腱断裂(だんれつ)】といった大怪我に繋がることもあります。
【アキレス腱断裂】となると手術が必要になる事もあり、日常生活復帰には3か月、スポーツの復帰には5~6か月かかると言われています。学生さんで部活に関われるのは2年半程度しかないのに、そのうちの6か月が治療でつぶれてしまうのは悲しいですよね・・・。
そんな人達を出さないためにも当院では治療だけでなくセルフケアや予防の面でもアドバイスさせていただきます。お困りのことがあればお気軽に相談くださいね!